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「立憲パートナーズ大田の会」主催 東京第4区公認 井戸まさえさん対談

 「がんばれ立憲民主党の会」の橘民義共同代表が9月4日、大田区消費者生活センターで開かれた「立憲パートナーズ大田の会」主催の「講演と対談の会」に招かれ、「総選挙これを争点に戦え」と題して講演するとともに、大田区を地盤とする立憲民主党の井戸まさえ・衆議院東京4区支部長と「この選挙で何を変えるのか」をテーマに対談しました。会場は新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底。ZoomやYouTubeでの生配信もあり、合わせて約30人が参加しました。

 「大田の会」は東京都大田区の立憲パートナーズの皆さんが中心となり「ボトムアップ・草の根民主政治」を目指している市民グループです。

立憲パートナーズの会大田 可児さん

 最初に、橘共同代表が8月11日に行った、立憲民主党の枝野幸男代表との対談の映像を上映。「『原発を新増設しない、再稼働しない』はもう当たり前」などと力強く語る枝野代表の言葉に、参加者も納得の様子でした。

 続いて橘共同代表の講演に移りました。前日の3日に菅義偉総理が事実上の退陣表明を行ったタイミングでもあり、講演はまず「ポスト菅」を選ぶ自民党総裁選の話題から始まりました。

 橘共同代表は「菅義偉総理が総理のままだったら野党有利だ、政権交代だと思ってきたが、相手が菅さんでなくなり、残念だ」などと述べつつ「向こう(自民党)は総論でいろいろ言ってくる。大切なのは『各論、具体論で戦う』ことだ」と訴えました。

「例えばコロナ対応について、岸田さんは『健康危機管理庁を創設する』と言っているが、どれだけ役に立つのか。相手が消費税減税を主張したとして、さらにこちらが所得税や法人税の増税に言及したら、自民党はついて来られない。こういうところで戦ってほしい」

 総選挙の争点について、橘共同代表は「コロナ対応」「格差」の2点を挙げた上で「金持ちはどんどん金持ちになり、貧乏な人はどんどん貧乏になる。『金持ちは増税、庶民は減税』など、分かりやすい言葉で伝えてほしい」と述べました。

 さらに、個々の候補者の戦い方として「大きな争点に加えて『自分だけの争点』を持つことが大事です」とも指摘。「例えば菅直人(元首相)さんなら、どんな選挙でも必ず『原発ゼロ』を言うだろう。井戸さん自身の活動の中から、心から出てくることを言えばいい。相手候補と争うだけでなく、自分の『本当の主張』をしてほしい」とアドバイスしました。

 続いて、橘共同代表と井戸さんの対談に移りました。

 井戸さんは、同居しているお子さん3人がコロナの陽性となり、総選挙を前にして約1カ月の自宅待機を余儀なくされた当事者としての経験を紹介。「食糧なんか全然届かな

い」などの実体験を交えつつ、このように訴えました。

 「皆さん、政府を信用して、自民党がいいなと思って、4年前(の前回総選挙で)投票した。もちろん立憲民主党も頑張ったが、(多くの国民が)このまま安倍政権のままでいいやと思ったその結果、アベノマスクが届いたり、本当に必要なものが届かなかったりした。何でこんなことがずっとまかり通っているのか。自民党総裁選での派閥の利権争いとか、国民の方を向いていない政治が続いているからです。私も、子どもが陽性になり、さまざまに感じたことをしっかり訴えていくことが、社会構造を変え、日本の未来を変えることにつながると思います」

 さらに井戸さんは「女性は日々の暮らしや命に直結することに、常にさらされている。それを背負ってきた女性の政治家をもっと活用してほしい」と主張。橘共同代表は「(コロナ対策で)成功した国や地域では、女性がトップを務めている。男性が偉そうにしている国はうまくいっていない」と述べた上で「井戸さん、出番ですよ。絶対に当選しないと」と激励しました。

 そしてテーマは総選挙の戦い方へ。

 橘共同代表は「菅総理が自滅したことで、リベラルだと言っている岸田(文雄前政調会長)さんたちが候補に出てきて、立憲民主党と自民党の主張の差がなくなる恐れがある。その時に大切なのは『信頼感』です」と指摘。「自民党は『モリ・カケ・サクラ』の問題で、書類を改ざんしたり、改ざんを命じられた官僚が自殺しても知らん顔をしたり、しまいには破棄までしている。政府としての信頼感が全くない。政策マターとは違うけれど、これは大きな争点。『立憲民主党が政権を取ったらもう一度事実を解明する』と訴えてほしい」と訴えました。

 井戸さんも「桜を見る会」問題について「選挙をゆがめたという意味でも、自民党の責任は非常に重い話です。桜を見る会だけではなく、選挙で圧倒的に勝つ地盤をつくるために、有権者に大盤振る舞いするのが当たり前。それが自民党の文化で、選挙民もそれが当たり前だと思っていた。過去の選挙結果は果たして正当だったのかまで問われないといけない」と述べました。

 ちなみに「モリ・カケ・サクラ」問題については、枝野代表は橘共同代表のインタビューで「(積極的に訴えて良いのだと)勇気づけられた。隠されてきたこと、改ざんされたことをすべてオープンにする。『モリ・カケ・サクラ』からオリンピックの経費まで、すべて公開させる。これを政権公約の大きな柱の一つにします」と、力強く語りました。このミーティングから3日後の7日、枝野代表は記者会見で発表した「政権を取ったら最初の閣議で決める7項目」の中に「モリ・カケ・サクラ」問題の真相解明チーム設置を盛り込んでいます。

 また橘共同代表は、自民党総裁選一色の現在の政治状況について「政治空白ができすぎる。菅(すが)さんが『コロナ対応を最後までやるために(退陣する)』というのは嘘。今さら菅さんがコロナ対策で新しいことができるわけがない。総裁選、首班指名、組閣、(衆議院)解散と続き、何もしないで11月になってしまう。(自民党は)コロナの大事な時に何をやっているのか」と批判。井戸さんも「自民党の古い体質。自分たちのことだけで国民がいない政治です」と応じました。

 対談の後、会場やZOOM参加者との質疑応答がありました。「自民党はどの候補も、安倍さん(晋三前首相)と麻生さん(太郎副総理)にかかわる『モリ・カケ・サクラ』にさわることができない。これが自民党の弱点だ」「河野太郎(行政改革担当相)さんが脱原発を主張したまま総理になったらすごいこと。立憲民主党はいくら枝野さんがはっきりと言ってくれても、原発推進の労働組合などに足を引っ張られてしまいそうで心配」「若い世代の意見を聞くチャンスを作ってほしい」など、さまざまな声が寄せられました。

 特に印象深かったのは「訴えるだけでなく、街の声を聞いてほしい」という声でした。

 「3月まで花屋をやっていましたが、コロナで閉店した。コロナで苦しみ、悩んで、ぎりぎりで商売をやっている人たちがたくさんいる。そういう人たちの声をいかにきちんと聴けるかが勝負です。いろんな人たちの声をどんどん聞いて、その中で自分の訴えたいことを伝えてほしい」

 切実な声に井戸さんは「これまでも自分の意見を開陳してばかりの政治家がいたけれど、これからの政治家は、人の声をしっかり聞くことが大事。政治家のあり方も変えていかないといけません。そうした姿勢を持つ政治家を選ぶことが大事であり、その一人に私もなりたい」と力強く語り、さっそくパートナーズの声をしっかり受け止めていました。

 一方、橘共同代表は「選挙運動をたくさんすることが大切」ときっぱり。「街頭演説をするだけでなく、できるだけ多くの人が電話かけやビラ配りをすれば、必ず(有権者との)対話になります。叱られたり電話を切られたりすることもあるが、たくさん運動すればそこから会話が始まり、投票につながっていきます。これをたくさんやれるかどうかで勝負が決まります」と指摘しました。

 政策の話から選挙に向けた実践的なアドバイスまで、盛りだくさんの会合となりましたが、閉会あいさつのこの言葉が心に残りました。「私たちは党の下部組織でなく、パートナー。市民の自主的な取り組みが連動し、いい結果につながるよう頑張りたい。何としても政権交代につながるよう、1人1人の草の根がしっかりしないといけない」

 党が上から指示するのではなく、市民が自発的に党を支え、動かしていく。このような「市民と党のイコールな関係性」こそが、旧立憲民主党が4年前の結党以来目指してきたものであり、今後の飛躍の可能性を感じさせるものです。

 党とパートナーズのこのような関係性が、全国に広がることを願います。

ライター・O

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